オーバーホール

時計のオーバーホールとは?料金や頻度を詳しく解説

一生ものとして購入した高級腕時計や譲り受けた腕時計など、大切な腕時計を安心して使用するために必要なのが「オーバーホール」です。

オーバーホールという言葉は聞いたことがあっても、

  • オーバーホールって何?
  • どこの店に出せばいいの?
  • どのぐらいの費用がかかる?
  • 何年ごとにすればいい?
  • そもそも本当にオーバーホールは必要?

そのような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、腕時計のオーバーホールについての疑問をすべて解決できるように丁寧に解説いたします。

オーバーホールは腕時計を長く愛用するためには必ず必要になってくる定期メンテナンスだから、基礎知識を頭に入れて適切なタイミングでオーバーホールに出すようにしよう!

腕時計のオーバーホールとは?

腕時計のオーバーホールとは、腕時計を分解掃除する作業です。

腕時計のオーバーホールはあまり身近ではないかもしれませんが、自動車のオイル交換や車検をお店に頼んだことがある方は多いのではないでしょうか。
腕時計のオーバーホールも、自動車のオイル交換や車検のような定期メンテナンス作業です。

「腕時計のオーバーホールは不要」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、自動車に置き換えるとオーバーホールが必ず必要な作業であることがわかると思います。
オイル交換や整備を全く行っていない車に安心して乗ることができないのと一緒で、腕時計にも定期的なメンテナンスが必要なのです

腕時計の中にはムーブメントという時計を動かすためのエンジンのような機構が搭載されています。

ムーブメントには大きく分けて「機械式」「クォーツ式」の2種類があり、

  • 機械式:ゼンマイを動力にした機構
  • クォーツ式:電池を動力とした機構

となっています。

また、機械式ムーブメントには「自動巻き」「手巻き」があります。

  • 自動巻き:腕時計を振った際の遠心力で内蔵ローターが回転しゼンマイが自動で巻き上がる
  • 手巻き:リューズを使用してゼンマイを手動で巻き上げる機構

自動巻き(機械式)、手巻き(機械式)、電池(クォーツ)など動力源や機構が異なっても、ムーブメントの中で歯車をはじめとした多くの部品が止めどなく動いていることに変わりはありません。

だからどうしても部品が摩耗してしまうんだね。

基礎ポイント

部品同士の摩耗を軽減するために使用されている潤滑油の交換や、摩耗・劣化してしまった部品の交換や調整を行う作業がオーバーホールなのです。

腕時計のオーバーホールをしないとどうなるの?

腕時計のオーバーホールを行わず長期間使用した場合、最終的に故障します

ムーブメント内部の潤滑油が劣化し潤滑油の役目を果たさなくなると、部品同士が激しく摩擦しあい、摩耗・破損に繋がります。
部品の調子が悪くなると、精度が狂って時間がずれるだけではなく、最終的には動かなくなってしまうのです。

ココに注意

腕時計が動かなくなってしまってから修理に出す場合は、多くの部品交換が生じ高額な修理費用がかかることもありますし、状態によっては修理すらできないという可能性もあります。

劣化するのはムーブメント内部だけでなく、裏蓋などに使用されているパッキンなども同様で、パッキンが劣化することで本来の防水性能が低下し、水没での故障リスクが高まります。

腕時計のオーバーホールは様々なトラブルを未然に防ぎ、腕時計の寿命を延ばす作業なのです。

腕時計オーバーホールの作業内容

腕時計オーバーホール作業の一例として、機械式腕時計オーバーホールの手順をご紹介いたします。

step
1
腕時計を分解しながら各パーツの状態を確認

ケース、ブレスレット、風防などの外装、ムーブメント内部まですべて分解します。

step
2
各パーツ・部品を洗浄する

ケースやブレスレットなどの外装、分解したムーブメントの部品を、専用の溶剤を使い超音波洗浄機などで洗浄します。

step
3
劣化部品の交換、調整

ムーブメント内部の摩耗・劣化・破損している部品の交換や調整を行います。交換部品の見極めや調整には専門的な技術を要します。

step
4
組み立て・注油

分解したムーブメントを組み立てていきます。組み立てながら適切な箇所に適切なタイプ・量の潤滑油を注油することでムーブメントを最適なコンディションに整えます。

step
5
タイミング調整作業・ランニングテスト

タイミング調整は、専用の測定機器を使用して、ムーブメントの精度を確認・調整する作業です。

調整完了後、ムーブメントをケースに入れるケーシング作業を行い、ケース部分が組み上がった状態でテスターにかけます。テスターにて数日間ランニングテストを行い、時間が正確に刻まれているかを確認します。

step
6
外装組み立て・防水テスト

腕時計の外装部分など最終的な組み立てと、防水検査などを行います。
お客様の要望に応じてケースやブレスレットの磨き上げ作業も行い、各パーツ・機構の最終動作チェックを行えば作業完了です。

※時計修理・オーバーホール専門店の違いや腕時計ブランドによって作業工程・手順が異なります。

腕時計の修理とオーバーホールの違い

腕時計のオーバーホールと修理は混同されることも多いですが、大まかに言うと以下の違いがあります。

  • オーバーホール:時計全体の状態を調べ、最適なコンディションに仕上げる作業
  • 修理:故障箇所を特定し、部品交換や修復などを行う作業

基礎ポイント

時計を故障させないためには定期的なオーバーホールが必要で、定期的にオーバーホールしていれば時計が故障する確率はかなり低くなります

腕時計のオーバーホールにかかる料金

腕時計のオーバーホールはメーカーの正規修理サービスもしくは民間の腕時計修理・オーバーホール専門業者に依頼することになります。
正規修理サービスと民間業者では料金やサポート体制も異なりますので、ご自身が安心できる方法でオーバーホールを依頼しましょう。

メーカー正規修理サービスでのオーバーホール料金

メーカー正規修理サービスにて機械式時計オーバーホールを受ける際の基本料金は4万円~程度です。
消耗パーツの代金や交換費用が別で2万円~程度かかります。

メーカーによって金額差はありますが、民間業者と比べると1.5~2倍の料金設定です。

メーカー正規修理サービスは民間業者と比べ料金が高くなりますが、メーカーによってはメーカー保証書がついてくるなどのメリットもあります。

腕時計修理・オーバーホール専門業者でのオーバーホール料金

時計修理・オーバーホール専門業者でオーバーホールを受ける際の基本料金は2万円~程度です。
消耗パーツの代金や交換費用が別で2万円~程度かかります。

腕時計修理・オーバーホール専門業者は、メーカー正規修理サービスと比べて半額程度の料金設定の業者が多くなっております。

オーバーホール専門業者ではメーカーと同様のクオリティを安価で受けられるのが魅力ですが、業者の技術・保証体制・使用する部品などは店によってバラつきがあるため、安心して依頼できる業者を見極めましょう

ココに注意

モデルによって腕時計オーバーホール料金は異なる

また、腕時計のモデルによってオーバーホール料金は異なり、機構が複雑になればなるほど料金は値上がりします
例えばクロノグラフモデルの場合はプラス1~2万円クォーツの場合はマイナス1~2万円といった形です。

 

腕時計のオーバーホールの頻度

腕時計のオーバーホールの頻度は、機械式の場合3~5年クォーツの場合は7~8年と言われています。
メーカーやムーブメントによって異なるので一概には言えませんが、上記を目安にしてオーバーホールを行い安心できる状態で腕時計を使用しましょう。

腕時計のオーバーホールは安心して頼めるおすすめ業者へ

腕時計のオーバーホールは専門技術の必要な作業です。
価格を抑えてオーバーホールを行う場合は民間業者への依頼になりますが、業者によって技術・スタンス・保証体制は異なります。

当サイトでは、安心してオーバーホールを依頼できるおすすめの腕時計修理・オーバーホール専門業者をご紹介しておりますので、参考にしていただけると幸いです。

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