愛用の時計が壊れてしまい、修理をしたいと思ったのに、メーカーや時計修理店から修理依頼を断られてしまった・・・。
このような場合、どうすればよいのでしょうか。
メーカーで時計修理を断られる理由
時計の販売元であるメーカーに時計修理の依頼をして、断られてしまった場合、主に下記の2つの理由が考えられます。
- 修理部品の製造が終了している
- 純正部品以外のものが使われている
1. 修理部品の製造が終了している
依頼先にかかわらず起こりうるケースとして、時計の破損している部分の交換部品の製造がすでに終了しているという原因があります。
多くのメーカーで、製造終了後からの修理部品の保有期間が決まっています。
例・ブライトリング ・グランドセイコー | 10年 |
・ロレックス | 25年 |
・IWC ・オーデマピゲ ・ジャガールクルト | 永久保証 |
部品の保有期間が終了してしまったブランドの時計は、基本的に時計修理を受け付けることができません。
2. 純正部品以外のものが使われている
これは、以前民間の時計修理を依頼し、純正品ではない部品を使ったことが考えられます。
ロレックスやオメガなどの一部のブランドでは、純正品ではない部品が使われている場合、時計修理を断られてしまいます。
そのため民間の時計修理店に時計修理を依頼する場合は、純正部品を使用しているかを事前に確認しましょう。
注意ポイント
社外パーツを使用している民間の時計修理店で依頼する場合は、基本的にその後メーカーでの修理を受け入れてもらうことは、難しいと考えましょう。
時計修理店で時計修理を断られる理由
時計修理を専門に行なっている民間の時計修理店でも、依頼をを断られることもあります。
その理由は大きく2つあります。
- 修理部品の製造が終了している※
- 純正部品を仕入れることができない
1. 修理部品の製造が終了している
メーカーの場合で説明したのと同じく、純正部品の製造が終了している場合、修理が困難になります。
※しかし一部の時計修理店では純正部品がない場合、時計に合わせて部品の製造から対応してくれるお店もあります。
高度な技術が必要となるため、このような修理店は限られていますが、アンティークや思い出の品などは依頼してみる価値ありです。
2. 純正部品を仕入れることができない
部品がまだ製造されている場合でも、時計修理店によっては修理を断られるケースもあります。
純正部品の仕入れルートを確保できておらず、対応ができない修理店も存在しているからです。
時計メーカーは部品の外部販売をしていないため、修理店は過去に仕入れした在庫部品や海外販路などから純正部品を調達しています。
そのため、時計修理店すべてがメーカーの部品を仕入れることができるわけではありません。
特にロレックスの純正部品の仕入れは、年々厳しくなっています。
古くから取引をおこなっているなど、独自の仕入れルートを確保している修理店に依頼してみましょう。
その他の原因
- クォーツ時計の対応している電子回路がない
- 時計がコピー品
1. クォーツ時計の対応している電子回路がない
機械式時計と異なり、クォーツ時計は寿命が短いという特徴があります。
その理由は、ムーブメントである電子回路の寿命が20~30年とされているからです。
部品を交換し続ければ使用できる機械式時計に対して、クォーツ時計は電子回路の寿命がきてしまうと使用することができなくなってしまいます。
そして電子回路は、それぞれ対応している時計によって種類が異なります。
電子回路が壊れてしまったときに、対応している電子回路が用意されているとは限りません。
そのため機械式時計の部品と同じように、製造が終了してしまった電子回路は修理することができないのです。
2. 時計がコピー品
ロレックスやオメガなど、すべてのブランド、修理店がコピー品の修理は断っています。
しかし中古品や譲ってもらった時計が、本物かどうかわからないという場合、あえて確認のためにメーカーや修理店にオーバーホールの依頼をするという方法もあります。
注意ポイント
コピー品だった場合や見積もりが出たにも関わらずキャンセルする場合は、キャンセル費用や郵送費が発生するため、不安な場合は事前に確認しましょう。
時計が修理できない場合の対処法
メーカーや時計修理店に修理依頼を断られてしまった場合、どのようにすればよいのでしょうか。
修理ができる技術力をもった時計修理店を探す
1つ目は修理ができる技術力をもった時計修理店を探すことです。
多くの時計修理店がありますが、その技術力や知識、経験などは様々です。
対応できる修理技士がいない、純正部品を調達できないなどの理由で修理を断られているケースもあります。
そのため、高い技術力や実績のある時計修理店を見極めて、依頼することが重要です。
優良な時計修理店の見極め方
ではどのように優良な時計修理店を、見極めれば良いのでしょうか。
ポイントは下記の3つです。
- 一級時計技能士やマイスター公認高級時計士(CMW)など、確かな技術力をもった技術者が在籍している
- 年間に対応している修理本数が豊富
- 問い合わせにしっかりと対応してくれる、要望を聞いてくれる
時計修理には、時計技能士をはじめとした専門の資格があります。
時計技能士1級は、実務経験が7年以上ないと受験資格がないなど、厳しい規定が設定されています。
マイスター公認高級時計士は、時計の資格の中でも最高峰と言われており、「日本時計師会」事務局長の推薦がないと受験ができないなど、こちらも厳しい規定が決められています。
このような技術力をもった時計技師が在籍しているということは、信頼のおける時計修理店といえるでしょう。
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壊れていても買取をしてくれる中古買取店に売却する
2つ目の対処法は、壊れていても買取をしてくれる中古買取店に売却することです。
全国規模で展開をしている中古買取店などは、時計が壊れていても買取が可能であることが多いです。
大規模の中古買取り店では、時計修理を自社で行っていることが多く、壊れた時計でも修理をしたり、部品として使用したりすることができます。
そのため壊れた時計を売却したい場合は、比較的大きな規模の中古買取り店に売却を依頼したほうが良いと言えるでしょう。
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まとめ
ここまで時計修理を断られる理由と、修理依頼を断られた場合の対処法について解説しました。
- メーカーの場合
- 修理部品の製造が終了している
→ 修理店の中には部品の製造から対応してくれるところあり - 純正部品以外のものが使われている
→ 修理店であれば依頼可能
- 修理部品の製造が終了している
- 修理店の場合
- 純正部品を仕入れることができない
→ 仕入れルートのある修理店もしくはメーカーに依頼する
- 純正部品を仕入れることができない
- その他
- クォーツ時計の寿命
→ 故障した時計でもOKな買取店へ査定を依頼する - 時計がコピー品
- クォーツ時計の寿命
メーカーから断られた際、もう修理はできないと考えてしまう方も多いかもしれませんが、時計修理専門店の中にはアンティーク品などの修理が難しい時計の修理実績も豊富なところもありますので是非検討してみてください。
修理店でも、実績や技術はそれぞれなので一度断られた場合もあきらめずに他店へ問合せをおこなってみましょう。
優良な時計修理店は、資格を持った時計技師が在籍しているか、年間の対応本数などを基準に見極めることをおすすめします。
問い合わせの対応によっても把握できるため、気になる時計修理店には、事前に修理内容を問い合わせるなどして、しっかりと確認しておきましょう。