- 大切な時計に傷がついてしまった!
- オーバーホールを依頼したら研磨仕上げをするか聞かれたけど、
時計の研磨ってしたほうがいいの?
この記事ではこのような疑問に答えるべく、時計に傷がついた際の対処法や時計研磨に関して知っておきたいことを解説します。
時計に傷がついてしまって困っている方や、研磨をしようか迷っているという方はぜひ参考にしてみてください。
時計に傷がついた際の時計研磨仕上げとは?
時計のケースやガラスに傷がついてしまった際には、研磨仕上げが有効です。
時計の研磨仕上げとは、傷がついた部分を専門の機械で削ることで、時計の見た目を新品のようにできる技術のことです。
研磨仕上げ以外にも「新品磨き」や「ポリッシュ」と呼ばれることもあります。
時計の研磨仕上げは、深い傷や凹みを完全に消すことはできないですが、薄い傷であれば取り去ることができます。
時計の傷を消して時計本来の輝きを取り戻したい方におすすめです。
研磨仕上げをする3つの方法
時計の研磨仕上げには、
- 時計メーカーに依頼する
- 時計修理店に依頼する
- 自分で研磨仕上げをする
上記の3つの方法があります。
1. 時計メーカーに依頼する
一番メジャーな方法は、修理をしたい時計ブランドを販売する時計メーカーに研磨仕上げを依頼する方法ではないでしょうか。
時計メーカーに依頼する一番のメリットは、安心感があるという点でしょう。
メーカーに所属する熟練の時計技師による、研磨仕上げを受けられるため大切な時計を安心して預けることができます。
しかし時計メーカーはその分、金額が高くなる傾向があります。
研磨仕上げを行う場合、多くの時計メーカーでは研磨仕上げだけでなくオーバーホールをする必要があります。
時計メーカーのオーバーホールは、ブランドによって異なりますが、4万円~8万円とかなり高額になります。
また納期も1ヶ月程度かかるため、研磨仕上げだけを希望する方には時計メーカーに依頼することはハードルが高いと言えます。
2. 時計修理店に依頼する
研磨仕上げを依頼する方法で、もっともオススメなのが時計修理店に依頼する方法です。
時計修理店は、時計修理を専門に行う店舗のことで研磨仕上げにも対応しています。
時計修理店に依頼すると、メーカーと同等の研磨仕上げ専用の設備で対応してくれます。
時計修理店には元メーカー技術者や時計修理技能士らが在籍しているので、安心して時計をきれいにしてもらうことができるでしょう。
また時計メーカーに依頼するよりも圧倒的に価格が安く、研磨仕上げだけであれば1万円~2万円で対応可能です。
料金 | セット料金 | |
WATCH COMPANY | ¥16,500~ (税抜:¥15,000~) | ¥11,000~ (税抜:¥10,000~) |
CIEN | ¥22,000~ (税抜:¥20,000~) | ¥11,000~ (税抜:¥10,000~) |
オロロジャイオ | ¥17,600~ (税抜:¥16,000~) | ¥13,200~ (税抜:¥12,000~) |
リペスタ | - (セットのみ) | ¥17,600~ (税抜:¥16,000~) |
依頼の要望にも柔軟に対応してくれるため、時計について相談や要望がある方は、依頼時に伝えるようにしましょう。
ただし時計の状態によっては、修理を断られる場合もあるため、気になる方は時計修理店に問い合わせをしてみましょう。
3. 自分で研磨仕上げをする
時計の傷が深い傷や凹みではない場合、金属磨きややすりなどを使って自分で研磨仕上げをする方法があります。
しかし、自分で研磨仕上げをすると、必要以上に削りすぎてしまい、形がいびつになってしまったり傷が悪化してしまったりする危険があります。
また、もともとあった時計の美しい仕上げ加工が消えてしまいます。
時計修理店に依頼するよりも費用は安くなるかもしれませんが、道具を購入する費用や失敗した際に時計の価値を下げるリスクを考えると、時計修理店に依頼したほうが良いでしょう。
時計修理店の選び方
時計の研磨仕上げには、時計修理店がおすすめですが、時計修理店には町の時計屋さんのような小さな規模のところから全国に店舗を持つところまで、さまざまな時計修理店があります。
では優良な時計修理店はどのように選べばよいのでしょうか?
修理実績が多い時計修理店を選ぶ
時計修理店では、HPに過去の修理実績を掲載しているところがあります。
時計修理の対応本数が多いところは、さまざまな状態の時計修理の経験があるため、時計修理を断られる可能性が低いと言えます。
また時計修理に関する要望にも柔軟に対応してくれるため、研磨仕上げで相談したい方や要望がある方は、修理実績が多い時計修理店を選ぶと良いでしょう。
宅配専用ケースがある時計修理店を選ぶ
時計修理店には、店舗ではなくインターネット上での受付を行っているところがあります。
その場合、時計を時計修理店に発送する必要がありますが、時計は精密機械のため郵送時の破損には注意しなければなりません。
そういった際に、宅配専用の時計ケースを届けてくれるところであれば、郵送時も安心して依頼できます。
専用宅配ケースの有無
オロロジャイオ | CIEN | WATCH COMPANY | リペスタ |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
純正パーツを取り扱っている時計修理店を選ぶ
研磨仕上げでは、時計の部品交換は発生しないのでは?と思う方もいるかもしれません。
しかし純正パーツを取り扱っているということは、時計修理店として信頼感があると言えます。
時計修理店のすべてが純正パーツを仕入れられるわけではありません。
時計の純正パーツを取り扱うには、時計メーカーや純正パーツを扱う企業との信頼関係が必要です。
つまり純正パーツを取り扱うということは、時計メーカーから信頼されているということです。
そのため、時計のパーツ交換が発生しない研磨仕上げでも、純正パーツを取り扱っている時計修理店に依頼したほうが良いと言えます。
純正部品の取り扱い
オロロジャイオ | CIEN | WATCH COMPANY | リペスタ |
純正※ | 純正 | 純正※ | 純正 |
※アンティークなどの古いモデルの部品に関しては、社外品の提案をおこなう可能性があります。
研磨仕上げの注意点
時計の傷が完全に消えるわけではない
時計修理店は、時計を専門に修理しているところだから、「どんな傷でもなおせるだろう」と考えてしまいがちですが、実際はそうではありません。
前述の通り、薄い傷であればきれいに取り去ることができますが、深くついた傷や凹みの場合、薄くすることはできますが100%きれいに取り去ることは難しいです。
研磨仕上げをしすぎると「ケース痩せ」が発生する
時計の傷を消すのに有効な研磨仕上げは、時計のケースを削り、傷を消します。
そのため何度も研磨仕上げを行っていると、時計のケースが細くなるケース痩せが発生してしまいます。
このケース痩せは、時計の見た目が悪くなるだけでなく、ケースの耐久性が落ちてしまいます。
そのため時計に傷がついたからといって、何度も研磨仕上げをするのはやめましょう。
一般的に研磨仕上げの限度は、5回程度と言われています。
3~4年に1度オーバーホールでメンテナンスをおこなう際に、時計の状態をみて同時に研磨を行うかどうか検討するのが良いでしょう。
時計は使っているうちに、傷がついていくものです。
新品のような美しさも良いですが、時計の魅力は使っていくうちについていく傷にも魅力があると言えます。
そのため時計の傷も、一つの味わいと考えましょう。
時計の傷には研磨仕上げが有効
時計の傷を消す方法である研磨仕上げの方法と、依頼時の注意点について解説しました。
研磨仕上げは、専用の機械を使って行う時計修理店に依頼するのがおすすめです。
時計修理店は、修理実績が多く純正パーツを取り扱っているところに依頼しましょう。
またネット上の時計修理店の場合、宅配専用のケースが用意されているところを選ぶと郵送時の破損のリスクを低減できます。
時計修理店だからといって、すべての時計の傷を100%取りきれるわけではありません。
時計の傷は、長年使い続けてきたものにしかできない魅力の一つでもあるため、きれいな状態にこだわらず、研磨仕上げを何度も行わないようにしましょう。
研磨仕上げを効果的に行うことで、時計を美しく使い続けることができます。