思い出の時計が止まってしまった!
高額のブランド時計なのに故障してしまった…
時計を修理に出す際、購入したデパートやショップで相談をすると、予想外に高額な見積りで困ってしまうケースがよくあります。
そのため、当サイトでは購入した場所に修理を依頼することはあまりおすすめしていません。
「時計の修理は買ったところで」は思い込み
高額なブランド時計なら、買ったところでの修理がベストか?というと、必ずしもそうではありません。
販売店への修理依頼にはメリット、デメリットがありますのでチェックしてみましょう。
購入した百貨店やショップに修理・オーバーホールを依頼するメリット
販売店で修理するメリット
- 安心できる
- 売るときに高く売れる場合がある
- 特殊な修理にも対応できる
以上3つもメリットのうち、一番大きなものは安心感です。
安心できる
高額だったり、思い入れが強かったりするブランド時計なら、はじめてやり取りをする業者に任せるのには少し抵抗があったりしますよね。
売るときに高く売れる場合がある
デパートやショップなど時計メーカーやブランドの正規代理店が修理・オーバーホールを受け付けると、メーカーやブランドが作業をおこないますから、正規の修理・オーバーホール証明書が付いてきます。
意外と知られていませんが証明書は、時計を手放す場合にプラスの評価になります。
ブランドのニセモノでないことの証明と、きっちりメンテナンスを行っていたことの証明になるからです。
特殊な修理にも対応できる
トゥールビヨンやパーペチュアルカレンダーなど複雑系と呼ばれる時計の一部や、高額なアンティーク時計は特殊すぎるという理由で、時計修理専門店では断られるケースもあります。
しかし、購入したデパートやショップなら大丈夫。
たとえばパテック・フィリップなら有償ながら永久修理保証を謳っていますから、どんなに古くても複雑でも、問題なく修理やオーバーホールを受付けてくれます。
百貨店や購入したショップに修理・オーバーホールを依頼するデメリット
前述のようなメリットもあるなか、要注意いただきたいのがデメリットです。
特に時計修理をあまり依頼したことのない方は依頼後に損をするというケースもありますので、よくチェックしてみてください。
販売店で修理するデメリット
- 費用がかかる
- 不要な修理・交換も必要になる
- 時間がかかる
費用がかかる
販売店に修理を依頼した場合、販売店はメーカーやブランドへの引き渡しをおこなうのですが、その際に手数料がかかります。
実際の修理費・オーバーホール費に加え、販売店の手数料分の料金も支払わなくてはならないのです。
料金= 修理費+ 販売店手数料
またメーカーやブランドのオーバーホール費用はもともと高額です。
時計修理・オーバーホールはメーカーへ依頼が正解?メリットとデメリットを紹介。
時計修理専門店と見積を比較してみてください。差額に驚かされることでしょう。
不要な修理・交換も必要になる
あるブランド時計の正規ショップは、オーバーホールの依頼に新品が購入できるほどの見積を出したという話があります。
内訳にはケース、裏蓋、風防(ガラス)、リューズなどなどの新品価格が含まれていました。
ブランドの言い分は「ほとんど全てのパーツを新品に交換しなければ、時計の防水性能を保てないから」とのこと。
まあ、ここまではないとしても、これと近いことが起こりうるのが正規の修理・オーバーホールです。
時間がかかる
また、販売店にて受け付けてからメーカーやブランドに送るだけでも日数をロスしてしまいますが、メーカーの修理拠点が海外にある場合、余計に時間がかかってしまうというデメリットがあります。
これが複雑な修理になると、とんでもない日数がかかるもの。
先述のパテック・フィリップの複雑系時計なら、スイスへ送られるため数年待ちは当たり前だといいます。
時計修理・オーバーホールは時計修理技能士に
購入した百貨店やショップでのメンテナンスのデメリットに引っかかったなら、ぜひ検討したいのが時計修理専門店での修理・オーバーホールです。
時計修理専門店には時計修理技能士が在籍していることがほとんどです。
時計修理技能士とは
時計修理技能士とは、時計修理に一定の技術を持つ人に与えられる国家資格です。
3級から1級まであり、1級を受験するには7年以上の実務経験が必要になります。
機械式時計のオーバーホールの実技と学科の試験に合格しなければなりません。
時計修理技能士とは、時計の修理・オーバーホールができると国に認められた人のことなのです。
時計修理技能士に修理・オーバーホールを依頼するメリット
修理専門店で修理するメリット
- 納期が早い
- 価格が安い
- 修理箇所を指定できる
以上3つがメリットとして考えられます。
納期が早い
メーカーメンテナンスの場合、海外に修理拠点があると輸送の期間を含め何か月も修理完了まで待たなければならないと紹介しました。
時計修理専門店は、
時計修理専門店には多くの場合、国家資格の時計修理技能士が在籍しており、修理にあたってくれます。
また、お店によってはその他にもメーカーの元技術者などがいるため、修理やオーバーホールの技術に関して不安に思う必要はありません。
価格が安い
メーカーメンテナンスに比べ、時計修理専門店の料金は半額程度とかなり安く受けられます。
確かにブランドの名前入りのオーバーホール証明書は、時計の買取を依頼した時に有利に働きます。
しかし高く買ってもらえる額は、正規修理と修理専門店の差額を上回ることはありません。
修理箇所を指定できる
あるブランド時計の正規代理店にオーバーホールを依頼したら、ほとんどすべてのパーツの新品交換を迫られたという話をしましたが、時計修理技能士に依頼するとこんなことは起こりません。
時計のオーナーさんが必要と考える個所のみ、しっかりと修理してくれます。
もちろんパーツ交換が必要な場合には、使うのは正規品です。
仕上がりは正規修理と何ら変わりがありません。
時計修理技能士に修理を依頼するデメリット
上でお話ししたパテック・フィリップの例のような
「複雑すぎるような時計は断られてしまうかもしれない」
というのが、時計修理技能士に修理・オーバーホールを依頼する唯一のデメリットです。
修理店によって対応可能なブランドが異なるので、修理店のHPをチェックしてみてください。
電池交換も信頼できる時計修理専門店で
腕時計の電池交換ができると国に認められると、時計技能士3級がもらえます。
つまり時計の電池交換は、ある程度の技能がないとできない修理なのです。
大切なブランド時計なら、電池交換も時計修理専門店に依頼しましょう。
適当に電池交換を済ませるデメリット
- 開かない裏蓋を無理に開けてキズを付ける
- 電池を抑えている金具を折る
- 間違ったサイズの電池を入れる
- 内部を素手で触れてサビさせる
- 裏蓋をしっかり閉めることが出来ず浸水の原因になる
専門技術者以外に依頼したり、セルフで修理するには危険があります。
安いから、近いからという理由で、腕時計の電池交換は依頼すべきではありません。
時計修理専門店・時計技能士を利用する
国家資格である時計技能士に、修理・オーバーホールを依頼するメリットは大きいものです。
百貨店やショップに依頼した場合と比較しても、価格も安い上に仕上がりは変わりません。
たとえ電池交換であっても大切なブランド時計なら、時計技能士が在籍する時計修理専門店を頼ると安心ですね。