腕時計には、防水機能が搭載されたものがあります。
防水機能を備えている時計は、手洗いや突然の雨など日常の防水から、水場のレジャーやマリンスポーツにも使用できます。
しかし腕時計の防水表示をどのように見ればよいかわからないという方も多いのではないでしょうか。
防水時計を使用する際の注意点もあわせて解説するため、防水時計をお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。
腕時計の防水機能の見分け方
腕時計の防水機能の有無を見分けるには、時計の文字盤か裏蓋を見ましょう。
防水機能が搭載された時計には、裏蓋に「WATER RESISTANT」またはその略称である「W.R.」の表示があります。
この表示のある時計は、JIS(日本工業規格)及びISO(国際標準化機構)が定める基準に合格しています。
気圧とメートルの違い
腕時計の防水表示には、気圧とメートルの2つの種類があります。
例えば「WATER RESIST 10BAR(10気圧防水)」と「AIR DIVER'S 100m(100m防水)」です。
10気圧と100mは意味としては同じですが、時計の防水機能の面では異なります。
10気圧の防水時計は浅瀬であっても耐えられないことがあります。
なぜなら10気圧の防水時計は100mの水深でほとんど動かさない状態で、水圧に耐えられることを意味しているからです。
そのため水の中で時計を動かすと、浅瀬であっても時計にかかる圧は高くなり、水圧に耐えられないことがあります。
釣りやシュノーケリングなどのあまり動かないスポーツであれば、10気圧防水時計でも使用できるでしょう。
100m防水100m表示の防水時計は、100mの水深での使用に耐えられるように作られています。
浅瀬であってもジェットスキーやウェイクボードなど、激しく動くスポーツは、10気圧防水時計よりも100m防水時計のほうが適しています。
腕時計の防水表示の分類
腕時計の防水表示には、一般用と潜水用の二種類があり、これらは品質規格と試験項目が全く異なります。
当然、潜水用のほうが一般用よりも防水機能に優れているため、一般用の防水時計を潜水用として使用することはできません。
日常生活用防水時計
2~3気圧防水
表示
「WATER RESIST」「W.R.」
汗や手洗いの際の水気、小雨などの水気に耐えられますが、水場のレジャーや水に浸ける、水没などには耐えることができません。
日常生活用強化防水時計
5気圧防水
表示
「WATER RESIST 5BAR」「WATER 5BAR RESIST」「W.R.5BAR」
農業や漁業、食堂、洗車など水に触れる機会の多い仕事や水上スポーツに使用することができます。
ただし素潜りや水圧の強いシャワーには使用できません。
10気圧~20気圧防水
表示
「WATER RESIST 10BAR(20BAR)」「WATER 10(20)BARRESIST」「W.R. 10BAR(20BAR)」
※()内は対応の気圧によって変わります。
水上スポーツや素潜りに使用できますが、飽和潜水や空気潜水などには使用できません。
空気潜水用防水時計
100m~200m防水
表示
「AIR DIVER'S 100m(200m)」
表示されている水深までの耐圧と長時間の水中使用に耐えることができます。
潜水時間や減圧時間を測定できる回転ベゼルを搭載しており、浅海でダイビングをする際に使用できます。
ただし表示以上の水深での使用や、飽和潜水には対応していません。
飽和潜水用防水時計
空気潜水時計は浅い海でのダイビングにしか対応していませんが、飽和潜水防水時計は、200~1000mの深海でも耐えることができます。
こちらもダイバーズウォッチと呼ばれます。
200m~1000m防水
表示
「HE-GAS DIVER'S 200m(~1000m)」
表示されている水深の使用に耐えることができます。
潜水時間、減圧時間を測定する回転ベゼルや、時計内部に溜まったヘリウムを強制的に排出するヘリウムガスエスケープバルブといった装置がついています。
また深海作業での視認性を確保するため、針やインデックス、回転ベゼルに蓄光塗料が塗布されているものや、ダイビングスーツの上から装着できるブレスレットの長さを調節する、エクステンションベルトがついているものもあります。
防水時計の使用時の注意点
防水時計の種類と見分け方についてご紹介しました。
ここでは防水時計を使用する際の注意点をご紹介します。
お風呂・温泉での使用は控える
防水時計でよくある間違いが、防水だからといってお風呂や温泉でも使用してしまうことです。
防水時計は、ガラスや裏蓋とケースの間、リューズの部分にゴム製のパッキンを使うことで、時計内部への水の侵入を防いでいます。
そのためお風呂や温泉などの温度が高い状態で使用をしてしまうと、パッキンが弱り浸水を防ぐ役割を果たさなくなってしまいます。
特に温泉には、パッキンだけでなくケースの金属が痛む原因になる成分が含まれています。
そのため、たとえダイバーズウォッチであっても入浴時には外すようにしましょう。
水がついたまま操作しない
水気がついたまま時計を操作することは危険です。
なぜなら時計を操作するリューズやプッシュボタンは時計内部と直接つながっているため、水気がついたまま操作してしまうと、時計の内部に水が入り込んでしまうからです。
いくら防水時計であっても、時計の内部に水が侵入してしまうとサビを防ぐことはできません。
そのため時計に水がついていたら、水をしっかりと拭き取ってから操作するようにしましょう。
海で使用したら真水で汚れを洗い落とす
海で使用した時計には、見た目はきれいでも塩水や汚れなどが付着しています。
そのため海での使用後は、必ず真水で洗い汚れを落とすようにしましょう。
ただし蛇口から出る水を直接当てると、水圧がかかり時計内部に水が入ってしまう危険性があります。
そのため水を溜めた桶などで優しく洗うようにしましょう。
また、洗った後は直射日光に当たらない場所で自然乾燥させましょう。
この際ドライヤーの熱風に当てると、故障することもあるため、絶対にやめましょう。
定期的なオーバーホールを行う
防水時計に限らず時計全般に言えることですが、定期的に時計のメンテナンスであるオーバーホールを行いましょう。
防水時計であっても水の侵入を防ぐパーツが劣化していると、時計内部に水が入ってしまいます。
特にゴム製のパッキンは劣化がしやすいため、定期的な交換が必要です。
また電池交換を自分で行う方もいますが、10気圧以上の防水時計は、裏蓋を開けると防水テストを行う必要があります。
そのため防水時計のオーバーホールは、時計修理専門店に依頼するようにしましょう。
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まとめ
防水時計の見分け方と、それぞれに適した使用状況を使用時の注意点とあわせて解説しました。
防水時計は、水の侵入を防ぐ機能を搭載した時計であり、日常生活の防水からダイビングなどのマリンスポーツに至るまで、さまざまな使用状況に合わせた防水時計が存在します。
また防水時計だからといって、リューズをしめなかったりお風呂で使用したりしてしまうと、故障につながってしまいます。
そのため定期的なオーバーホールを行い、適切な使い方をするようにしましょう。